今件は、過去の仕事の中で経験した業務の中から生まれたモデル事例となります。
当時は、関係先の協力要請の中で進めた結果、業務改善につながったものです。
背景
2000年当時コンビニ収納代行向けにOCR/BCR(バーコードリーダ)システムを開発販売を当時就業していた企業にて推進をしていました。
大手から中小のコンビニエンスストアのバックオフィス用に専用機材を企画、設計~開発~製品提供、保守までかかわっており、当時の会社から開発費の予算をいただき、コンビニエンスストア業界への投資を進めていました。
業務としては、店舗で受付したガス、電気、水道などの納付書を後方の事務センターで入金状態との相違がないかの精査チェックのために、手入力では困難な業務量を自動で紙を搬送し、バーコードを読み取り、バーコードデータを生成し、POSデータと照合、過不足情報の提供するITシステムを構築、システム販売やBPOまで含めて提供していました。
当時の課題
当時の納付書は、JANコードを記載し、POSで受付するのですが、1フォームに3~4個のJANコードが打たれており、複数枚提示された際に間違えてスキャニングしたり、汚れなどでハンドバーコードリーダで読めないときの手入力で打ち込む際に間違えたり、取り消しがうまくできずにデータが残ってしまったり、とオペレーション上の課題があり、精査チェックも煩雑化していました。
また、当時はペイジーなどが普及し始めたときで、多くの納付書がコンビニエンスストアに集まるようになり、複数バーコードの入力自体がPOSオペレーションの弊害になっていました。
2007年以前のCVS収納代行のフォーム
取引先からの依頼
この状況の中でOCR/BCR(バーコードリーダ)の専門家として、何とか1つのバーコードに収まるプランはないかとの問い合わせがありました。
本来は、システム販売をする側からすれば、店舗のミスが多いことが、精査チェックのITシステムの価値が高まるため、そのままの環境が良いかもしれないのですが、業務量の向上とバックオフィス業務の負荷が業界全体での課題となりつつあり、起案を進めることとなりました。
改善案
当時、ヨーロッパにて薬や流通コードでEANコードが発展しており、その内容で収納代行データはすべて網羅できることや印刷機器メーカーが600DPI印刷が可能との見解もあり、EAN128による検討が進み始めました。
ITシステム側として、納付書のデザインや印字位置、印字品質など情報提供を進め、流通システム開発センターへの意見を上申し、日本フランチャイズ協会内での検討資料作成協力などを行い、納付書設計のお手伝いをさせていただきました。
この経験が、現在の当社のコンサル業務につながる原点かと思います。
現在は、「GS1-128 シンボルによる標準料金代理収納ガイドライン」としてJIS規格となり、一部ではありますが、当時のご提供情報が組み込まれておりました。
この標準料金代理収納ガイドラインは、第4版まで発行されており、2023年で終了されるINS回線以降の通信手順について更新されています。
この内容を拝見するに、インボイス制度でのPeppolへの連携も視野にあるのではと感じておりますので、当社としては、2022年の調査対象として推進したいと考えております。
流通システム開発センター HP内公開情報
https://www.gs1jp.org/standard/barcode/gs1-128/payment_service.html